アークフラッシュの効果・効能の項でご紹介致しました、殺菌や脱臭はどのようにして光触媒二酸化チタンの表面で起るのであろうか。この点について、現在解明されている理論に基づいてご紹介いたしますが、今尚、研究の最前線では正確なメカニズムについて基礎研究が続いていることを、先にお知らせしておきます。

アークフラッシュ加工された表面では、酸化・還元反応が繰り返し起きています。
環境浄化に二酸化チタンを応用する場合には、常に空気の存在があります。空気には、必ず酸素と水蒸気が含まれていて、反応機構にも酸素と水蒸気が大きく関与しています。

(1) 光触媒反応は二酸化チタンに紫外線があたることにより発動します。これを光固体表面反応・光固体界面反応といいます。

二酸化チタンが紫外線を吸収して、電子と正孔が酸化チタンの内部に生成します。
電子と正孔は表面近くに拡散してきたものが、反応に関与します。従って、多くの電子と正孔を表面に得られることが、より反応効果を高めることになります。

(2) 生成された正孔は、酸化力が強力であり、二酸化チタンの表面吸着水と酸化反応してヒドロキシラジカルを生じます。
できあがった、ヒドロキシラジカルは酸化力が高く、有機化合物と酸化反応を起こします。酸素がある場合は、この過程で有機化合物の中間体のラジカルと酸素分子がラジカル連鎖反応を起こし、酸素が消費されます。やがて有機化合物は分解されて、最終的には二酸化炭素と水になります。
(3) 一方、生成した電子は、表面吸着酸素と還元反応してスーパーオキサイドアニオンが生成します。
生成されたスーパーオキサイドアニオンは、酸化反応の中間体に付いて酸化物を形成したり、過酸化水素を経て水になります。その他には、空気中では・Oが生成され有機物の炭素‐炭素結合に直接作用します。
(4) 黴菌や臭いの原因物質は有機物です。有機物は一般に水よりも酸化されやすいので、有機物の濃度が高くなると、正孔が有機化合物の酸化反応に使われる確立が高く、正孔と電子というキャリア同士の再結合の割合は減少する。このように、正孔が充分に消費される条件下では、還元サイトにおける、酸素分子への電子の移行過程が、光触媒反応全体の律速段階になる。つまり、電子が酸素分子へ移行しやすいようにすることで、光触媒の効率が高まります。